TOEICの勉強をするにあたって、今までTOEICを受けたことがなかったり、500点未満で止まってる人は、何から手を付けて良いか分からないと思います。
私ももともとは、初めて受けたTOEICは420点でした。
大学受験でも英語を使って、センター試験でも8割~9割を取れていましたが、それでも初めてのTOEICは400点台という結果でした。
そこで改めて中学校の英文法から学び直そうと思って手に取った本が「カラー版 ゼロからはじめる 新TOEICテスト英文法」でした。
今回はこの参考書について、徹底レビューします。
参考書の著者は超有名な英語教師
著者は、大岩秀樹さんという方です。
東進ハイスクールの先生です。
(東進ハイスクールは「今でしょ」の林先生で非常に有名になりましたね。)
東進の衛星授業を任されている先生は、多くの中から選りすぐられた方々ばかりなのですが、そこに23歳という若さで大抜擢されたのが大岩先生です。
また、その授業のスタイルは基礎力にこだわったもので、受験だけでなく、日常会話やビジネス英語などにも応用できると評判の先生です。
そんな基礎力に重点を置く先生が書いた、英語の基礎に関する本なので、中身も十分期待できます。
監修は、安河内哲也さんです。
安河内先生も東進ハイスクールの先生で、非常に有名な方です。
東進だけでなく、数多くのテレビ番組にも出演されており、顔を見ると知っている方も多いのではないでしょうか。
安河内先生の英語力は折り紙付きで、英検1級、TOEIC満点などの様々な英語に関する資格を持っていることでも有名です。
こんな英語の基礎を重視する方と、日本の英語教育の第一人者がタッグを組んで作っている参考書は他にありません。
TOEICでスコアを取るために作られている
この文法書は、他の文法の参考書と違って、TOEICに特化して作られています。
TOEICに特化と言っても、文法の知識が欠けているなどということはなく、むしろ基礎的な文法内容を網羅的に解説してくれています。
TOEICに特化という意味は、各文法の解説パートで、TOEICで使えるポイントが書かれています。
TOEIC 攻略ポイント
助動詞の過去形を見たら仮定法を疑う!
このように、例えば仮定法を解説しているページには、TOEICですぐに使えるポイントが書かれています。
これによって、各文法がTOEICでどのような形で出題され、どのような観点を求められているのかが一目瞭然です。
他の一般的な文法書では、単に文法の知識を覚えるだけになってしまいがちです。
「ゼロからはじめる 新TOEICテスト英文法」では、TOEICで聞かれるポイントも合わせて学ぶことができます。
参考書の構成
「ゼロからはじめる 新TOEICテスト英文法」では、文法解説パートと実戦問題パートに分かれて、構成されています。
文法解説と実戦問題がセットになっており、一つの文法のテーマとなっています。
以下は目次の一部を抜粋したものです。
Part1 よく出る品詞を押さえる
Unit 01 副詞①
Unit 02 副詞②
Unit 03 形容詞
Unit 04 代名詞
Unit 05 接続詞
この各Unitごとに実戦問題がセットになっており、解説編で知識を身に付けて、すぐにTOEICで実際に出題されている問題のレベルにチャレンジできる構成になっています。
身に付けた知識をすぐにTOEICの実践レベルまで引き上げることができる!
文法解説パート
文法解説パートは、文法の各トピックに沿って、基本的な内容から解説されています。
受動態の解説パートを一部抜粋します。
受動態とは、「主語はVされる」のように、動作を受けるものが主語となっている表現のことです。
主語は常に「何かをする側」とは限らず、「される側」の場合もよくあります。
受動態が使いこなせなければ、相手に「する」「される」が逆に伝わってしまうため、正確に使えるかどうかが問われます。
受動態「主語がVされる」は、「主語+be+Vpp(過去分詞)」の形で表現します。
主語とbe+Vppの間には修飾語が入ることが多いため、話題の中心である主語をきちんととらえ、主語と動詞の関係「する」「される」を正確に判断する必要があります。
このように非常にシンプルに、受動態とは何なのかを解説してくれています。
一般的な文法書だと、難しい言葉で受動態を解説しており、何度読んでも頭に入ってきません。
「ゼロからはじめる 新TOEICテスト英文法」だとすべての文法の各トピックが、上記で抜粋した程度の量のシンプルかつ簡単な言葉で解説されているので、英語初心者の人でも簡単に理解することができます。
実戦問題パート
実戦問題パートでは、解説した文法知識を、実際にTOEICで出題されるレベルの難易度、形式で練習することができます。
こちらも、受動態のパートも実戦問題を一部抜粋して紹介します。
1. This hotel ——- in a fashionable area and is within easy reach of the subway station.
(A) situates (B) to situate
(C) is situated (D) situating
1. 解説
前後に同じ形を並べるandの後にisがあることから、andの前にもVが必要であることがわかり、空所にはVが入る。
また、「ホテルは位置付けられる」という関係があるため、受動態の(C)が正解。
訳:そのホテルはおしゃれな地域にあり、地下鉄の駅にも近い。
fashionable : [形] 流行の
reach : [名] 届く距離
subway : [名] 地下鉄
実際にTOEICの文法問題として出される形式で、実戦問題も作られています。
また、1問ごとに詳しい解説が用意されており、なぜその選択肢が正解なのかを論理的に説明してくれます。
加えて、問題の英文の日本語訳や、使われている単語も合わせて記載されているため、問題文の音読や暗唱もしやすくなっています。
文法と共に、英単語も同時に覚えることができます。
一般的な文法問題などは、解説が不十分で、正解の選択肢だけが書かれているものもあります。
「ゼロからはじめる 新TOEICテスト英文法」は、すべての実践問題に1問ごとに詳しい解説が書かれているため、自分で勉強を進めるときでも、詰まるところがありません。
超実践的な内容のコラムも必見
各文法のパートごとに著者によるコラムが書かれています。
こういうコラムは飛ばしてしまいがちなのですが、書かれている内容が超実践的で、すぐにTOEICの勉強や、実際の試験で使える内容になっています。
もちろん文法の知識を得ることが第一優先ですが、すこし休憩する間に読める量ですので、こちらも読み飛ばさずに、進めることをおすすめします。
わからない問題はドンドンとばそう!
TOEICを受けてみたものの、「最初の方で時間をかけすぎてしまい、最後まで間に合わなかった」という感想をよく耳にします。
…(中略)…
「知識を問う問題」は、時間をかければできるというものでもないので、わからない問題で止まらないで適当にマークして次も問題に進み、平均30秒ペースを維持しましょう。
このように、実際にTOEICの試験を受ける上で非常に有効な内容が書かれています。
特にTOEICが500点~600点台の人は、最後まで解き切ることが難しいので、上記のような考え方は非常に有効です。
英語初心者が取り組むべき最初の参考書
これまでレビューしてきた通り、「ゼロからはじめる 新TOEICテスト英文法」は英語初心者が取り組むべき最初の参考書であると言えるでしょう。
解説してきた内容をまとめます。
- 著者が有名英語教師
- 基礎に重点が置かれている
- 分かりやすく、シンプルに文法が解説されている
- 得た知識を実践レベルに引き上げることができる
- 実際の試験を受ける上での注意点なども網羅されている
まずは、この「ゼロからはじめる 新TOEICテスト英文法」からTOEICの勉強を始めてみてはいかがでしょうか。