TOEICと第二言語習得

第二言語習得とは?英語を科学的に習得する型(方法論)を理解しよう

効率的に、効果的に英語を勉強したい!と思ったことはありませんか?

中学校からずっと英語を勉強しているにもかかわらず、一向に読めたり、話せる気がしない人は一定数います。

その原因の一つが、あまり効果的でない学習方法で英語を勉強している人が多いということです。
学校や予備校などで、多くの英語の先生に出会ってきたと思います。

そして、そのどれ一つとして、同じ勉強方法はなかったと思います。

しかし、ここ最近で、英語を習得するのに最も効果的であるとされている研究があります。

それが「第二言語習得」という研究です。

最初に、簡単に要点をまとめておきます。

  • 第二言語習得は、学習のプロセス(流れ)の研究
  • 第二言語習得だけを理解しても英語力は伸びない
  • 第二言語習得は、短期間で効果的に英語を伸ばすための「型」

それでは、この第二言語習得について、分かりやすく解説していきます。

第二言語習得(SLA)とは?

第二言語習得(だいにげんごしゅうとく、英語:second-language acquisition)は、学習者が母語の次に言語を学ぶ過程を科学的に解明する学問で、心理学、言語学、教育学などの学際領域である。広義には教授法も含まれる。

第二言語という用語は、第三言語以降の習得も含め、児童期の初期以降に習得し始める言語を意味する。学習される言語は「目標言語 (TL) 」「L2」などと呼ばれる。第二言語習得自体も「SLA」「L2習得」などと言われることもある。

出典:Wikipedia

難しい言葉が並んでいますが、簡単にいうと、第二言語習得とは、人間が新しい言語を習得するときの学習過程(プロセス)を研究する学問です。

有名な第二言語習得の学者ではミシガン大学のSusan Gass博士がいます。

人が2番目の言語を習得する際には、言語学や脳科学、心理学など様々な分野が関係してくるため、今だに確立された方法があるわけではありません。

しかし、ある程度、人が言語を習得していく上でのプロセス(流れ)は解明されているので、それを理解しながら、学習を進めるだけでも効果が全く違います。

第二言語習得の具体的なプロセスは別の記事で解説しています。

【第二言語習得理論】英語を効率的に勉強するには科学的に取り組むことが重要英語を勉強している人の中には、自分の努力量(勉強時間)の割に、あまりTOEICの点数などが伸びないと悩んでいる人も多いと思います。 ...

第二言語習得はこんな人におすすめ

英語を学習していく人すべてに当てはまる研究分野です。
特に以下のような方は、第二言語習得への一定の理解があると効果があります。

  • 英語の勉強時間は多いけれど、あまり効果が出ていない人
  • 中学、高校の勉強方法(独学)を行っている人
  • 自分のレベルに合った勉強方法が分からない人
  • 無駄のない勉強方法を知りたい人

基本的に新しくスキルを得ようと思ったときには、「型」にはまることが重要です。
「守破離」という言葉でも表現されますが、まずは指導者の行動を見習って、指導者の指導の通りの行動することが一番の近道であるとされています。

第二言語習得は、この「型」にあたる部分です。

英語の能力が伸びない人の多くは、自分なりの英語の勉強方法のまま時間をかけている人です。

アメリカでも研究されているこの「型」を少しだけ理解すると、英語の勉強の効果も上がります。
(参考 : アメリカでの研究論文)

第二言語習得を学ぶメリット

第二言語習得を理解することのメリットは、以下の3つです。

  • 自分のレベルに合った勉強方法かどうか判断できる
  • 非効率な勉強方法から抜け出すことができる
  • 短期間で効果を実感することができる

第二言語習得を学ぶ3つのメリットをを詳しく解説していきます。

自分のレベルに合った勉強方法かどうか判断できる

英語の勉強方法は世の中にたくさんあります。
本屋に行っても、多くのメソッドに関する本が置かれています。
今のあなたは、どの方法が自分に一番最適なのかを判断することができない状態だと思います。

第二言語習得の重要なポイントとして、「自分が理解できるインプット」を増やすというところです。
このようなポイントを知っているだけでも、参考書や塾などで、自分の目の前にある学習方法が、自分に合っているかどうかを判断することができます

難しい内容や問題をやっていても、英語学習にはあまり効果は見込めません。

非効率な勉強方法から抜け出すことができる

第二言語習得の研究結果の中で言われている4つの学習プロセスに沿って、勉強することが一番効率的に英語を覚えることができます。

なぜ一番効率的かというと、第二言語習得の研究が、人が二番目以降に言語を習得するための理論として最先端の研究だからです。

この4つのプロセスを理解することで、非効率な勉強方法から抜け出すことができます。

4つのプロセスは、以下の記事で解説しています。

【第二言語習得理論】英語を効率的に勉強するには科学的に取り組むことが重要英語を勉強している人の中には、自分の努力量(勉強時間)の割に、あまりTOEICの点数などが伸びないと悩んでいる人も多いと思います。 ...

短期間で効果を実感することができる

これは、2番目のメリットの結果から出てくるものですが、効率的に学習を進めることで、以前よりも短期間で効果を実感することができます。

これまで自分がやってきた勉強方法と比較して、早い人だと1か月程度、普通にやっていれば3か月で効果が実感できます。

英語のパーソナルトレーニング(RIZAP ENGISH, PROGRIT, ENGLISH COMPANYなど)が最近、流行しています。
このようなプログラムでは、だいたい2か月~3か月で、TOEICのスコアが200点以上伸びる人を多く輩出しています。

このような効果が出ている理由は、第二言語習得の学習プロセスがベースになっているからです。

第二言語習得を学ぶデメリット

メリットだけではなく、デメリットも紹介します。

デメリットは、第二言語習得を学んでも英語の能力は上がらない点です。
当たり前ですが、第二言語習得は、新しい言語を習得するための、効果的な学習の流れを研究する学問なので、流れだけを理解しても英語力の向上は、見込めません。

しかし、この学習の流れを理解することで、あとの学習効果が全く違うので、投資的な意味で、最初に理解しておくことをおすすめします。

まずはハマるための「型」を理解しよう

第二言語習得の概要とメリット/デメリットを紹介してきました。

ここまでの内容をまとめておきます。

第二言語習得とは?
  • 人が新しい言語を習得するときの学習過程(プロセス)を研究する学問
  • 自分のレベルに合った勉強方法かどうか判断できる
  • 非効率な勉強方法から抜け出すことができる
  • 短期間で効果を実感することができる
  • 多くの英語のパーソナルトレーニングで活用されている

途中でも少し紹介しましたが、新しいことを始めるには、まず「型」にはまって習うことが一番早いです。

英語学習では、その「型」が人によって違いました。
それぞれ独学で勉強した人や、英語の学習塾や、予備校の先生の教え方が染み付いている人も多くいると思います。

これまでのやり方で効果が出ている人は問題ありません。

今これを読んでいる時点で、英語の学習効果があまり出ていないと感じている人は、これまでのやり方を捨てて、新しい「型」にはまってみてはいかがでしょうか。